ロータリーの友 2017年7月号
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ロータリーの友平成29年 7月号■ 「卓話の泉」は、クラブの会報、週報に掲載の卓話の中から、客観的内容の話題、ミニ知識となるものを主に選んで要約、掲載しています。イルカの調教について イルカやアシカのトレーニングとは、トレーナーが動物に対して「やってほしい行動」の頻度を増加させることです。トレーナーが求める行動を動物が行ったら褒めます。ひたすら褒めてジャンプなどのさまざまな種目を教えていきます。「やってはいけない」ことを教えることはできません。 トレーニングする目的は、適度な運動の機会を与える、単調になりやすい日常に刺激を与える、健康を管理しやすくすることです。トレーニングするときに必要な物は主に、①魚、②ホイッスル(音)、③コーリング、④ターゲットです。 ①魚は、トレーナーが求めている行動を動物が行ったときに与えます。一見すると、動物は魚が欲しくて言うことを聞いているように思われるでしょうが、魚を与えているだけでは動物は言うことを聞きません。トレーナーと一緒にいることが楽しくなければ、どこかへ行ってしまいます。②ホイッスルは、行っている行動が正解であることを動物に伝える手段です。動物はホイッスルが鳴ると魚がもらえることを学習していきます。③イルカを呼ぶ道具をコーリングと言い、棒の中に玉が入っていて、水中で鳴らすと動物が寄ってきます。④ターゲットは目標物のことで、イルカに触らせてさまざまな種目を教えます。 また、動物を健康的に飼育するためには採血や検温といった健康管理が大切で、健康管理をしやすい体勢を取ることを動物に学習させること(ハズバンダリー)も大事です。これができないと強制的に押さえて治療を施さなければならず、動物にはストレスがかかります。 ハズバンダリーは繁殖にも一役買っています。現在自然界からイルカを入れることができないため、このような取り組みは今後も重要になってきます。(第二五九〇地区・神奈川県・横浜南RCにて)新江ノ島水族館 展示飼育部海獣類チーム サブリーダー大下  勲7518 成人という言葉には二つの意味があります。一つは上から読む「成せいじん人」、二○歳になった人をいいます。これは特別に努力しなくても、ただ飯を食っていればおのずと皆、成人になります。 もう一つは下から読んで人ひとと成なる。この人と成る「成人」は、大たいじん人ともいいます。自らを向上させ、立派で魅力ある人格、高潔な人物に成るということです。ただ飯を食っているだけで成れるものではなく、やはり特別な努力が必要です。人と成るための不思議な力を持つ最良の教師は中国古典です。つまり人と成るには、二つの学問をしなければならないといわれています。時務学と人間学です。 私は一九九三年、五一歳で初めて『論語』を手にしました。この本に大変感謝です。    (第二五六〇地区 新潟県)長岡東RC 田中 哲雄中国古典からもらった「不思議な力」北尾吉孝 著三笠書房 2005年7月刊

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