ロータリーの友 2017年7月号
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THE ROTARY-NO-TOMO2017 VOL.65 NO.7885写真提供:下呂市観光課 馬瀬川、飛騨川の清流に育まれるアユは絶品。塩分を正しく使ってこそ、素材の味が生きますじでしょうか。日ごろは特に、意識はしていないのです。塩分というものに気付き、それに対して、どう一歩を踏み出したらいいのか。踏み出したならば、それをどう歩み続けたらいいのか。人が行動を変えるためには、その対象についてよく知らなければなりません。 塩分をどんどん取っていきますと、体内の塩分濃度が高くなります。私たちの体には、体内の環境数値を一定に保とう、という機能が備わっています。血液中の塩分濃度が高くなると、それを薄めようとするわけです。塩辛いものを食べたら、のどが渇いて水が飲みたくなります。それで、濃くなった血液が薄まるわけです。 一方、塩分は細胞の中にも入っていきます。すると、細胞を変化させます。例えば、長年にわたり細胞の中に入っていった塩分、ナトリウムは血管を硬くします。若い時に比べると血管の壁には脂肪も付いたりしますから、中は狭くなっています。そこへ、のどの渇きを癒やすため水分をたくさん摂取すると、血液量が増え勢いが付いて、細胞の血管にかかる抵抗も大きくなり、血圧は上昇します。心臓に負担がかかります。一方、血管の細胞の空間には飲みすぎた水が漏れていきます。これが俗に「足がむくむ」という現象です。 取り過ぎた塩分を薄めようとするとき、具体的にどの器官が働くか、というと腎臓です。血液や塩分の排出の調整で、腎臓にはとても負担がかかります。そうすると過剰に働き過ぎが続くので、腎臓そのものの機能も低下していきます。加えて、塩分を薄めるために胃液まで量が増えるので、胃がんになりやすくなります。塩分の取り過ぎは悪循環の始まり、つまり「塩分は万病のもと」です。 なお、高血圧の一般的な定義ですが、診察室では一四〇/九〇mmHg、家庭なら一三五/八五mmHg以上、ただし高齢者は一四〇/九〇mmHg以上、と覚えておいてください。 さて、診察室で勧められる「血圧を下げる日常習慣」を紹介します。一日一㌘減塩すれば、血圧は平均一mmHg下がると言われています。そして体重一㌔㌘減らすごとに、一mmHg下がりま

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